Library of the Year 2021授賞理由

LoY2021ライブラリアンシップ賞

長年にわたって地域住民や図書館員が協同し、さまざまな図書館的活動を継続的に行ってきた図書館等を称えるための賞です。なお、この賞におけるライブラリアンとは、図書館員グループおよび地域住民、関係者の総体を示しています。日本を代表する優れた図書館サービス等を、館種を超えた図書館や地域住民とともに、長期にわたって行ってきた活動を評価します。

(以下、五十音順)


滝川市立図書館

授賞理由

図書館が町を支え、町が図書館を支える、理想的な互恵関係を実現

授賞理由の詳細

町の中心部の市庁舎2階へと10年前に集約されて以降、「行動する図書館」を標榜し、地域の学校、保育園・幼稚園、専門学校、商店、企業、NPO団体、出版社、書店、医療機関など、町の隅々にまで連携の手を広げてきた。年間展示の半分以上がコラボ企画であり、中心エリアへの集客効果も果たし、人口4万人の町で、図書館の年間利用者数は15万人となっている。地域の雑誌スポンサーや「図書館ささえ隊」による個人寄付も多く、図書館と町が互いを支えあう関係を実現している。また、庁舎内にあることで、行政情報の告知やパブリックコメントの集約など、市役所との一体的な運営も特筆される。長年の精力的な努力の積み重ねを評価する。

マンガ『夜明けの図書館』および関係者

授賞理由

10年間にわたって図書館の世界を描き続けた作品と制作活動

授賞理由の詳細

当該作品は2010年から雑誌掲載で全28話が発表され、2021年にコミック7巻で刊行が完結した。新人司書のレファレンスサービスを通し、現代の図書館のさまざまな取り組みや課題が紹介されている。図書館の活動とともに「人と人」「本と人」の関係が巧みに描かれ、文学作品としても高い評価を得ている。制作にあたり、著者や編集者の丁寧な調査とヒアリングが継続して行われており、現場の図書館員の協力が作品に対するリアリティや高いクオリティをもたらしている。10年間の長きにわたって一般読者に図書館の魅力を示し、図書館員や図書館員になろうとする人々に示唆と勇気を与え続けたことを高く評価する。

LoY2021優秀賞

従来の図書館イメージを覆す図書館サービスを提供し、他の図書館等の参考となる先進的な活動を評価します。なお、この賞における図書館サービスには、図書館以外の機関が展開する“図書館的な取り組み”も含まれます。

(以下、五十音順)


あかし市民図書館

授賞理由

官民協働での子育て支援拠点としての図書館政策

授賞理由の詳細

駅前再開発・中心市街地活性化に際して、図書館が子育て支援拠点としても重要な意義と役割をもつと位置づけた政策を展開している。事業推進においては他自治体から優秀な人材を招聘しつつ、民間事業者との連携を図り、文字通りの官民協働を成し遂げている。その結果、「子育てしやすいまち」という明石市の評価に大きく貢献している。なお、こうした結果の根本には図書館としての地力の確かさがあることも強調しておきたい。

指宿市立図書館および特定非営利活動法人本と人をつなぐ「そらまめの会」

授賞理由

市民が自然に支え、市民とともに明るく歩み学び続ける図書館

授賞理由の詳細

認定司書を輩出する研修体制の確立や、市民の探究心に市民とともに調べて答えるレファレンス等、図書館として根源的な力を培い発揮している。クラウドファンディングによるブックカフェの実現など、旧来の枠にとらわれず、市民や行政、メディアと協働しながら、市民のためにすべきことを10年以上の時間をかけて着実に実現している。これらの取り組みは、市民NPOによる指定管理の持続モデルを示しており、その点を評価する。

福井県立図書館・文書館・ふるさと文学館

授賞理由

次の時代を見通した、3館協働による利用者目線の図書館活動

授賞理由の詳細

次世代の福井を担う若年層への多彩な企画やホームページの充実、一般社会に反響をもたらした「覚え違いタイトル集」など、利用者目線の図書館運営を評価する。なかでも文書館主導の「デジタルアーカイブ福井」は複数の大学で活用紹介されている実績があり、NDL連携や学校向けアーカイブズガイドの提供等、進化を続けている。成長の土台には3館の緊密な協働と、館員自らも利用者の立場で運営する市民感覚がある点を強調したい。

三重県立津高等学校図書館

授賞理由

時代に即応し、読書と学びの機会を保障する学校図書館運営

授賞理由の詳細

一人一人の生徒の求めに応じて、本やさまざまな情報や人々とのつながりを教職員が一丸となって提供し、社会参加や活躍の場を学校図書館が創出することで、学びの発展を促している。また、COVID-19対応では全国に先駆けて実施した休校中の自宅に本を届ける「津高生に本を届けようプロジェクト」をはじめ、公民問わず多彩な人脈を駆使して、一切の妥協なく、生徒に本物の機会を提供し続けている関係者一同を高く評価する。

LoY2021特別賞

Library of the Year 2021にふさわしい取り組みとして、実行委員会が特別に授与を決定した賞です。


八戸ブックセンター

授賞理由

本を読み・書き・話すことで本好きを増やす本のある暮らしの拠点

授賞理由の詳細

本のある暮らしの拠点となることを八戸市民とともに目指し、「本のまち八戸」を活動理念に掲げている。八戸市内に本を読む人や書く人を増やすために、公共図書館・民間書店・学校などと相互補完的・互恵的な関係を構築することで、本の提供と本を享受するための社会的基盤として整備している。昨今の地方都市では、その数を徐々に減らしている「本のある環境」の一つとしての書店を、公立運営という形態によって継続性を持たせていることは特筆に値する。本を読むための環境整備だけでなく、本について語り合うことや本の執筆サポートなど、これからの時代にふさわしい公共サービスのあり方を構想し、市民に提供している点は高く評価できる。


<Library of the Year 2021最終選考会開催について>

最終選考会は図書館総合展フォーラムとして、2021年11月26日(金)15:30~17:00にオンライン配信により行います。

2021年9月24日

IRI事務局